MENU

ERPパッケージ導入のねらい

ERPの導入をした企業、導入を予定している企業に対して、導入のねらいを尋ねたアンケートの結果がある。過半数
の企業があげているねらいに、「経営情報のリアルタイムあるいは詳細な把握」(63.8%)、「業務の効率化によるコスト削減」(61.5%)、「全社あるいは部門における情報共有と活用」(58.3%)の3つがある。
ここでは、アンケート結果の上位にあがっているものから順に取り上げながら、ERP導入のねらいを考えていきたい。

 

経営の舵取り

 

アンケート結果の上位1位となった「経営情報のリアルタイムあるいは詳細な把握」は、まさしくERPの言葉の由来の通り、経営資源の有効活用のための計画策定、すなわち経営の舵取りをねらったものである。

 

ERPシステムの実現により「業務と情報の統合」が実現されると、異なる製造拠点や販売拠点に対して共通の仕組みと尺度で経営に必要な情報がリアルタイムに収集され、詳細に把握できるようになる。

 

ERPパッケージの統合データベースは「大福帳型データベース」ともいわれ、個々の業務の詳細を積み重ねた情報が蓄積されているため、多面的なデータの検索や加工を行うのに適している。たとえば、売上や原価を分析する際に、製品。工場。営業所。担当者・月日・価格帯・担当者など、多次元のさまざまな切り回から解析ができる。そのうえ、今週は売上の落ち込みが激しいといった何らかの異常値があれば、 ドリルダウンによって、さらなる傾向と原因の分析を行うことができる。売上の落ち込みなら、どの営業所か、どの商品カテゴリーや商品か、何日なのかと、さまざまな切り回からドリルダウンを行うことで解析を進めていけば、落ち込みの原因を探り出すことができるだろう。

 

逆にいえば、現在の日本企業においては、意外とまだ、経営判断のベースとなるべき拠点別、部門別、製品別、地域別、担当者別、仕入先別、顧客別の購買・生産・販売実績やその収支・損益が正確、かつ、タイムリーに把握できていない場合があり、これは現代の日本的経営の大きな欠点ということができる。

 

ERPでは、正確でリアルタイムな業務データを用いた分析を通じて、迅速かつ的確に経営の舵取りを行うことができる。たとえば、ある特定の事業や製品が利益を生んでいない理由を明確にして見切りをつけ、経営資源を他の成長事業や成長が期待される製品に投資するための判断材料を得ることができる。

 

すなわち、ERPシステムでは計数管理に基づいて、全体最適の観点から経営資源の迅速な再配置の経営判断を下すことができるようになる。